こんにちは。駒沢大学駅前の買取専門店『ゴールドパーチェス』です。

本日は皆さんが1度は耳にした事のある、べっ甲(鼈甲)についてご紹介していこうと思います。

べっ甲って何?

べっ甲(鼈甲)とは、ウミガメの一種である、タイマイの甲羅を加工品で、色は半透明で赤みを帯びた黄色に濃褐色の斑点がある。
日本では黄色の部分が多いほど価値が高く、西洋では褐色部分が多いほど価値が高く、工芸品の素材に使われます。
特に、長崎べっ甲は、江戸時代に海外との貿易港であった長崎にタイマイの甲羅と技術が伝わったことが始まりとされていて、緻密(ちみつ)で精巧な細工が特徴となっています。

タイマイってどんな生き物? 

タイマイは、大西洋、太平洋、インド洋の熱帯海域に生息する。深海を避け、繁殖地である砂浜が近い沿岸域を好みます。甲長が約90センチ、体重は約70キロ程度で、ほかのウミガメと比較して特に大きいわけではない。成体になる前の甲羅はハート形をしているが、成長するにつれて長く伸びていく。鮮やかな色合いの甲羅はノコギリの歯のようにギザギザで、分厚い骨板とそれを覆う鱗板(りんばん)が重なりあっています。

オスのタイマイは、メスよりも長いツメと太い尾を持ち、甲羅の色も少し明るいようです。

タイマイは、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで近絶滅種に指定されている。
個体数が減少した主な原因には、人間の影響が挙げられます。国際的に保護されているにも関わらず、タイマイの卵はいまだに世界各地で食用とされていて、成体も食肉や見事な甲羅を目的とした乱獲の対象となっています。

べっ甲の歴史

もともと日本近海ではほとんど見ることのなかったタイマイ。では、べっ甲は一体どこから日本にもたらされたのでしょうか。その歴史は、飛鳥、奈良時代にまでさかのぼります。

飛鳥、奈良時代のべっ甲

飛鳥時代、遣隋使として中国に渡った小野妹子によりもたらされた献上品が、日本における最古のべっ甲といわれています。
鼈甲細工の歴史はかなり古く、中国で生み出された技術で6世紀末頃にはすでにべっ甲を加工して作るべっ甲細工の技術が生まれており、秦の始皇帝の王冠の一部もべっ甲で装飾されていたとも言われています。
奈良の正倉院宝庫には「螺鈿紫檀五絃琵琶」や「玳瑁如意」など、数点のべっ甲製品が保存されています。

螺鈿紫檀五絃琵琶

江戸時代のべっ甲

べっ甲細工の技術は16世紀にポルトガルに伝わり、17世紀以降オランダ船や唐船との貿易によって長崎に伝わりました。

こうしてべっ甲の国内生産が始まると、大阪、江戸へと伝わっていきます。当時、亀(タイマイ)は鶴とともに長寿の印であり、めでたい品とされていたこともあり、江戸時代には眼鏡のフレーム、くし、かんざし、帯留め、ブローチなどが作られ、特に華やかな元禄の時代に流行りました。ただ、贅沢を禁じる「奢侈禁止令」がたびたび出されたため、高価なべっ甲は庶民には手の入りにくいものだったようです。

明治時代のべっ甲

1859年に開港条約が締結されると、日本の港に各国の船が頻繁に出入りするようになりました。そして国内で消費していたべっ甲を、日本の伝統工芸品として輸出するようになっていきます。となると西洋風のデザインを取り入れる必要が生じます。結果的にこれが、べっ甲技術の発展につながっていったのです。

べっ甲三大生産地とは

長崎に伝わったべっ甲の流通拠点となった大阪、東京。この長崎、大阪、東京が今日のべっ甲の三大生産地となっており、それぞれ特色のある細工が発展しました。この三大生産地で、全体の半数以上の生産額を占めています。

江戸べっ甲

江戸べっ甲は東京都、そして国の伝統工芸品に指定されており、職人の技術は張り合わせの工程が一番の腕の見せ所。この張り合わせの技術が江戸の元禄期に伝えられ、複雑な形のべっ甲細工が生まれました。

長崎に出入りするオランダ人、中国人からもたらされるタイマイを使用し、べっ甲細工として発展した物が職人とともに江戸へ伝えられ、長崎では主に飾り物を主体とする工芸品に対して、江戸では眼鏡や櫛、笄(こうがい)といった日常生活品として発展したのが特徴です。
現在でも多種多様な製品を作り続けていますが、中でも多いのがべっ甲眼鏡です。べっ甲はきちんと手入れをすれば長く愛用でき、年が経つごとになじんでくる製品です。

なにわべっ甲

なにわべっ甲は大阪府伝統工芸品に指定されており、繊細な透かし彫り技法に代表される優れた彫刻技術が特徴と言えます。素材をくり抜き、模様の間をレースのように仕上げる技術は熟練ならでは。特にかんざしやアクセサリーにこの技法が用いられています。

現在でも伝統的な技術を磨き続け、現代的なデザインのアクセサリーなどが作られています。

長崎べっ甲

江戸時代、長崎は貿易を行っていた唯一の窓口であり、材料が手に入りやすくべっ甲の発展の中心地となりました。長崎べっ甲の特徴は、緻密で精巧な技法にあり、職人たちの経験と技が息づいています。髪飾りやアクセサリーなどのほかに、日用品も多数製造しています。剥製や宝船なでの大型の置物を製造しているのも魅力の一つです。

べっ甲を売るときは登録票が必要?

環境省ホームページによると、「国内希少野生動植物種と国際希少野生動植物種に指定されている種については、取引と取引につながる販売、頒布目的の陳列、広告は原則として禁止」されています。べっ甲の原料であるタイマイは「国際希少野生動植物種」にあたるため、勝手に譲渡や売買をすることができないのです。

この規制では、生きている個体のほか、死体や卵、剥製なでも対象となります。べっ甲で言えば、タイマイの剥製、全甲、甲羅の端材などが規制対象です。ただし、アクセサリー、眼鏡、茶道具のような工芸品など、亀の原型をとどめていないべっ甲製品の完成品については、この規制の対象にはなりません。
アクセサリーや骨董品、工芸品としてのべっ甲製品を売るときには特別な届出等は必要ありませんのでご安心ください。

価値が高いべっ甲の特徴

べっ甲製品はその美しさと希少性から買取市場でも特に高い買取価格がつきやすいのが、「白甲(しろこう)」と呼ばれる種類のものです。

白甲には次のような特徴があります。

  • 透明度が高い
  • 斑(ふ)がない
  • 黄色い部分が多い

白甲は透明感のある淡い飴色が特徴です。
腹甲(ふっこう)とふち甲からわずかしか取れない原料を使っており流通量が少ないため希少性が高くなっています。
他にべっ甲の種類としては、黒甲(くろこう)と茨布甲(ばらふこう)があります。

黒甲は、背甲の中でも茶色いところだけを使っており、色が濃くて艶があります。

茨布甲は背甲全体を使って作られており、一つの甲羅からの採取量が多いです。べっ甲は飴色にまだら模様が特徴ですが、茨布甲は飴色の部分が多い方が価値が上がりやすいと言われます。黒甲や茨布甲のべっ甲製品も買取市場で人気ですが、白甲と比べると安価になることが多いです。

ゴールドパーチェスではべっ甲製品の買取を行っております。

もし、ご自宅に不要となったべっ甲製品がございましたら、「ゴールドパーチェス」へ一度お越しくださいませ。直近の相場も考慮した上で、丁寧に査定、買取させていただきます。

ペット連れの方もご一緒に入店できるようになりました。
ぜひ、お散歩ついでにお気軽にお越しください。